頭首工という聞き慣れない名前が付いたダム。
頭首工とは、河川の水を用水路に引き入れるための施設を指す。
堤高が26mの重力式コンクリートダムで、ダムと名乗っても全く問題ないのだが、大人の事情、頑ななプライドの事情でダムとは名乗っていない。
このウェブサイトはダムを紹介するサイトなので、ここでは頭首工と呼ばず、ダムと呼ばせてもらうことにする。
豊川用水の取水のために造られたダムで、ここで取水された水は、遠く渥美半島の先まで運ばれている。
取水量は最大30m3/sで、田植えが始まる春に最大量をむかえるとのこと。
このダムおよび、豊川用水の完成以来、渥美半島の暮らしは飛躍的に改善されたらしい。
特徴は、頭でっかちなゲート機械室であろう。
不安定なまでに大きな機械室で、耐震性を疑ってしまう。
まぁ、その点は十分に検討されていると思うので、大丈夫だろう。
また、右岸に設置されている魚道も魅力的である。
階段式魚道で、かなり立派なものである。
魚道とダム湖をつなぐ部分は、ダム湖水位の関係でかなり大きな落差が生じる場合もあるため、閘門式が採用されている。
下流を眺める。
頭でっかちなダム。
豊川用水の取水部(手前)と堤体(奥)。
ここからはるばる、渥美半島の先まで水が運ばれる。
取水量は最大30m3/s。
豊川用水の起点。
現在の取水量は8m3/sとのこと。
豊川用水を眺める。
左岸より堤体を眺める。
頭でっかちなダム。
天端より下流を眺める。
減勢工が複雑な造りになっているのは、魚のため。
両側のローラーゲートには、この様にフラップが内蔵されている。
フラップからの放流。
右岸に設置されている魚道。
真横より堤体を眺める。
頭の大きさがわかるだろう。
ダム湖より堤体を眺める。
スペック
ダム名 | 大野頭首工(おおのとうしゅこう) |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 宇連川/豊川水系 |
所在地 | 愛知県新城市大野 |
位置 | 北緯34度56分37秒 東経137度35分59秒 |
着工年/完成年 | 1949年/1961年 |
用途 | かんがい用水/上水道用水/工業用水 |
堤高 | 26.0m |
堤頂長 | 66.2m |
堤体積 | 28,000立方m |
流域面積 | 130平方km |
湛水面積 | 16ha |
総貯水容量 | 1,096,000立方m |
有効貯水容量 | 906,000立方m |
ダム湖名 | |
管理 | (独)水資源機構 |
本体施工者 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 78.00m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 68.20m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
洪水吐 | ローラーゲート | 1門 | |
洪水吐 | フラップ付きローラーゲート | 2門 |
アクセス
三遠南信自動車道鳳来峡ICより、国道151号線を南下、新城方面へ進む。
9.83kmほど走ると、明治橋西という交差点が現れる。
ここからが要注意。
200mほど進んだところに、右手に分岐する道が現れるので、ここを右折。
そのまま200mほど進むと、大野頭首工が右手に現れる。
駐車場は有りそうで無さそうな雰囲気だが、交通量は少ないため、適当に車を停めて見学するとよいだろう。
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