国土交通省が管理する多目的ダム。
洪水調節の他、かんがい用水や上水道用水、工業用水の確保を目的としている。
堤体は堤高90mのロックフィルダムで、黒々したリップラップが特徴だ。
また、左岸にある放流設備も見どころのひとつで、上流面が銀色に塗られた3門のラジアルゲートに注目が集まる。
ただ、このゲート、下流から見ると赤く塗装されており、上流、下流での表情が全く異なる。
見学者からすると、まるで別のダムを見ているようで楽しい気分になる。
他の特徴としては、取水設備を2本装備している点であろうか。
ひとつはかんがい用水用、もう一つは上水道用水用とのことである。
かんがい用水用取水設備は、インクラインと同じようなデザインをしており、管理所の脇に綺麗に設置されている。
逆に、上水道用水用の取水塔は、管理所から多少離れた場所に設置されており、デザインも異なる。
この点をどう評価するかは、センスの問題であろう。
下流より堤体を眺める。
黒々した堤体だが、汚らしさは感じない。
左岸より堤体を眺める。
手前に放流設備が見える。
上流より放流設備を眺める。
銀色の3門のラジアルゲートは非常用洪水吐。
間に挟まっているローラーゲートは常用洪水吐の予備ゲート。
天端より非常用洪水吐であるラジアルゲートを眺める。
こちら側は赤く塗装されている。
天端より導流部を眺める。
ゲートが開放されており、越琉していた。
天端を眺める。
自動車通行不可。
インクラインと取水施設。
奥の赤い橋がある取水塔は上水道用水用。
中央の巨大なものは、かんがい用水用の取水設備。
手前がインクライン。
天端よりダム湖を眺める。
右に取水設備が見える。
天端より下流を眺める。
直下は公園になっているようだが、行けない。
右岸より堤体を眺める。
黒く輝くリップラップが美しい。
右岸側に堤体を登り降りできる階段があったが閉ざされていた。
堤体上流部の様子。
ダム湖より堤体を眺める。
スペック
ダム名 | 七ヶ宿(しちかしゅく)ダム |
ダム型式 | ロックフィル |
河川名/水系名 | 白石川/阿武隈川水系 |
所在地 | 宮城県刈田郡七ヶ宿町字切通 |
位置 | 北緯37度57分33秒 東経140度30分45秒 |
着工年/完成年 | 1973年/1991年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/かんがい用水/上水道用水/工業用水 |
堤高 | 90.0m |
堤頂長 | 565.0m |
堤体積 | 5,201,000立方m |
流域面積 | 236.6平方km |
湛水面積 | 410ha |
総貯水容量 | 109,000,000立方m |
有効貯水容量 | 99,500,000立方m |
ダム湖名 | 七ヶ宿湖(しちかしゅくこ) |
管理 | 国土交通省 |
本体施工者 | 佐藤・青木・フジタ |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 303.000m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 293.500m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 261.500m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | ラジアルゲート | W9.5m×H11.0m×3門 | |
常用洪水吐 | ラジアルゲート | W4.5m×H4.5m×2門 | |
常用放流主バルブ | 高圧スライドゲート | 1門 | |
利水放流管放流ゲート1号 | ジェットフローゲート | 1門 | |
利水放流管放流ゲート2号 | ジェットフローゲート | 1門 | |
表面取水設備 |
アクセス
東北自動車道白石ICより国道4号線を南下、福島方面へ走る。
4.61km走ると、国道113号線とのジャンクションにさしかかるので、ここは113号線方面へ。
113号線を山形方面へ、約15km走ると左手に七ヶ宿ダムが見えてくる。
下流に展望台があり、ここからダムを眺めることができる。
また、入るのに躊躇してしまう管理所へ続く道路があるが、ここは進入して問題なし。(ただし、夜間は閉鎖していると思われる)
中へ入り、自由に見学すればよいだろう。
コメント
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