2008年に完成した福井県所有の多目的ダム。
洪水調節の他、上水道用水の確保という役目を果たしている。
堤高72mの重力式コンクリートダムで、自治体所有のありふれたデザインだと思いきや、じつは違う。
堤体下流部に縦ラインが刻まれており、これをよく見ると、凹凸のある断面になっているのである。
自治体型ダムなのに、この様な凝ったデザインを施しているのは珍しいのではないだろうか。
また、天端にあるゲート室などの建物の形も特徴的。
全ての建物は丸屋根になっている。
見ていて気持ちがいいほどの統一感である。
他、天端が広いことも特徴ではないだろうか。
天端を最初に見ると、もしかして天端側水路を持っているのかと勘違いするほどの広さだ。
片側一車線の対面式道路が造れるほどである。
もしかしたら、将来的に、道路を造る予定なのだろうか。
いずれにせよ、近代的な美しさを持つダムなので、見学して損はないダムであろう。
また、すぐ上流に大規模な貯砂ダムがあるので、合わせて見学することをおすすめする。
右岸より堤体を眺める。
無難なデザインな様に見えるが・・・
洪水吐のアップ。
非常用洪水吐は自由越流式が2門。
常用洪水吐は、上下に並んで2門。こちらはスライドゲートだそうだ。
この堤体の縦縞模様、よく見ると立体的である。
凝ったデザイン。
天端を眺める。
片側1車線の対面通行ができるほどの広さ。
しかしながら、自動車通行止。
右岸真横より堤体を眺める。
中央に見える設備は取水設備。
天端よりダム湖を眺める。
小さなダム湖だった。
天端より直下を眺める。
現在は発電をおこなっていないが、2014年には発電を開始するという。
中央の建屋に水車が設置されるのであろうか。
上流より堤体を眺める。
クレストゲートの中央にある建物は、常用洪水吐のスライドゲート設備。
その右が取水設備。
ゲート群のアップ。
上流にある貯砂ダム。
堤高が22mもあるそうだ。
立派な魚道もある。
スペック
ダム名 | 浄土寺川(じょうどじがわ)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 浄土寺川/九頭竜川水系 |
所在地 | 福井県勝山市村岡町浄土寺 |
位置 | 北緯36度03分48秒 東経136度32分31秒 |
着工年/完成年 | 1989年/2008年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/上水道用水 |
堤高 | 72.0m |
堤頂長 | 233.0m |
堤体積 | 270,000立方m |
流域面積 | 7.7平方km |
湛水面積 | 10ha |
総貯水容量 | 2,160,000立方m |
有効貯水容量 | 1,880,000立方m |
ダム湖名 | |
管理 | 福井県 |
本体施工者 | 大成建設・三井住友建設・木原建設・前川元組 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | |
平常時最高水位(常時満水位) | |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | |
最低水位 |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | 自由越流式 | 2門 | |
常用洪水吐(上段) | スライドゲート | W1.900m×H2.760m×1門 | |
常用洪水吐(下段) | スライドゲート | W1.900m×H2.760m×1門 |
アクセス
北陸自動車道福井北ICより、国道416号線を勝山方面へ走る。
九頭竜川と共に、36kmほど走ると、勝山市街地に入る。
滝波町という交差点で、国道416号線は左折するが、ここは直進。
その交差点から1.5kmほど走ると、今度は長山町という交差点にさしかかる。
ここは左折。国道157号線に入る。
するとすぐに、Yの字で右に分岐する細道があらわれるので、ここを右折。細道に入る。
そして、一つ目の交差点を右折。
あとはそのまま川沿いに走ればよい。
3.5kmほど走ると、右手に浄土寺川ダムが見えてくる。
駐車場があるので、こちらに車を停めて見学するとよいだろう。
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