群馬県所有のかんがい用水専用のアースダム。
釣りで有名らしく、ダム湖一面に釣り用の桟橋やボートが散らばっていた。
洪水吐は自由越流式。
その先はトンネルになっていて、堤体の表面にその出口がある。
このダムが完成するまでは、河川の上流から田植えをしていったため、下流部は8月になっても田植えが出来ない事もしばしばあったという。
また、このダムが水を供給しはじめたことにより、桑園から稲作に切り替える農家も多数見受けられたようだ。
1955年に、すぐ隣にある牛秣ダムが完成したおかげで、鮎川からも取水可能となり、より安定した給水が可能になったらしい。
ダムマニア的には、鮎川からの導水路をぜひ見学してもらいたい。
鮎川からの導水路は、牛秣ダムの貯水池内(最高水位よりも低い位置と思われる)を水路として通り、三名川ダムに注がれる型式になっている。
これがとても珍しい造りで、ぜひとも見てもらいたい施設である。
単純なアースダムと思いきや、なかなか複雑な事をやっているダムなので、コンクリートに飽きたマニアにお勧めなダムである。
下流より堤体を眺める。
堤体が黒い場所は、野焼きをした部分。
春には綺麗な新緑色となる事だろう。
天端を眺める。
釣り客の駐車場と化していた。
天端から堤体を眺める。
ごく一般的なアースダムだ。
天端より下流を眺める。
このダムの水は、あれらの水田に導かれているのだろう。
三名川・鮎川からの導水部。
洪水吐(奥)とかんがい用水の取水口(手前)。
洪水吐は自由越流式で、その先はトンネルになっている。
そのトンネルの出口。
どう見ても堤体内を貫いている。
トンネルの出口は小ぶりだった。
洪水時は三名川・鮎川からの取水を止め、洪水に対処しているのだろう。
その先の水路。
堤体と水路の間は駐車場になっている。
ダム湖を眺める。
釣り用の桟橋や、ボートでごった返していた。
左岸より堤体を眺める。
アースダムのわりには、かなり切り立った堤体だった。
左岸に設置されている巨大な石碑。
スペック
ダム名 | 三名川(さんなかわ)ダム |
ダム型式 | アース |
河川名/水系名 | 三名川/利根川水系 |
所在地 | 群馬県藤岡市三本木字大谷 |
位置 | 北緯36度12分55秒 東経139度02分40秒 |
着工年/完成年 | 1929年/1933年 |
用途 | かんがい用水 |
堤高 | 19.7m |
堤頂長 | 218.2m |
堤体積 | 230,000立方m |
流域面積 | 67.3平方km |
湛水面積 | 13ha |
総貯水容量 | 1,426,000立方m |
有効貯水容量 | 1,283,000立方m |
ダム湖名 | |
管理 | 群馬県 |
本体施工者 | 井上工業 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
余水吐 | 自由越流式 | 1門 |
アクセス
上信越自動車道藤岡ICより、県道13号線を南下、藤岡市街地方面へ走る。
500mほど走ると、上栗須という交差点にさしかかるので、ここを左折。県道30号線に入る。
500mほど走ると、県道23号線との交差点にさしかかるので、ここを右折。
藤岡市役所を右手に眺め、4.79kmほど走ると、三名湖入口という交差点にさしかかる。
ここを右折。あとはそのまま直進すればよい。
3.7kmほど走ると目の前に堤体が見えてくる。
堤体直下が駐車場になっているので、ここに車を停めて見学するとよいだろう。
また、天端まで車で行けるので、そのまま上がっていっても良い。
近隣に牛秣ダムがあるので、こちらの見学もセットでおすすめする。
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