水質改善という目的を持った珍しいダム。
このダム湖は強い酸性で、このまま下流に流すと農作物はおろか、コンクリートも破壊してしまうという。
ダム湖に一時的に水を溜め、アルカリを入れて中和する。
いわば、巨大なビーカー、エルレンマイヤーフラスコである。
水は緑色で、まるで温泉のようだった。
上流に、かの有名な草津温泉があるので、その温泉と同一の成分なのかも知れない。
堤体は下流から見えない。天端から覗く程度にしか見学できないので、ストレスがたまる。
非常用洪水吐は、ローラーゲート2門で、そのうち1門にフラップゲートが内蔵されている。
水が酸性と言うことで、ゲートの材料が他と異なっているように思えた。
そのほか、放流管らしきものが装備されている模様。
天端を眺める。
自動車での通行が可能。
ゲートの機械室しかない、単純なデザインだった。
非常用洪水吐。
ゲートの上にある部屋が管理事務所なのだろうか。
天端より直下を眺める。
導流壁の色が赤茶色だ。
これは酸性の水による化学変化らしい。
手前中央に、放流管の吐口が見える。
クレストゲートのアップ。
フラップが付いているのがおわかりだろうか。
ゲートの素材も、特殊な素材で造られている感じ。
天端より下流を眺める。
河川は90度左に折れ曲がる。
水の色が特殊だ。
管理事務所&発電所の事務室と思われる建物。
発電用の取水口がある。
人の気配は無かった。
ダム湖右岸より堤体を眺める。
道路を拡張するために、天端がTの字になっている。
ダム湖を眺める。温泉の色だ・・・。
天端よりダム湖を眺めるパノラマ写真。
湖周に道路を造るため、この景色は今年で見納めらしい。
スペック
ダム名 | 品木(しなき)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 湯川/利根川水系 |
所在地 | 群馬県吾妻郡中之条町入山字品木 |
位置 | 北緯36度37分41秒 東経138度38分04秒 |
着工年/完成年 | 1961年/1965年 |
用途 | 水質改善/不特定用水、河川維持用水/発電 |
堤高 | 43.5m |
堤頂長 | 106.0m |
堤体積 | 52,000立方m |
流域面積 | 30.9平方km |
湛水面積 | 12ha |
総貯水容量 | 1,668,000立方m |
有効貯水容量 | 1,273,000立方m |
ダム湖名 | 上州湯の湖(じょうしゅうゆのこ) |
管理 | 国土交通省 |
本体施工者 | 大豊建設 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 910.00m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 908.00m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | ローラーゲート | W5.00m×H6.80m×2門 | 310m3/s |
常用洪水吐 | スルースバルブ | Φ1.2m×1条 | 17.3m3/s |
発電所使用水量 | 湯川発電所(群馬県) | 4.50m3/s |
アクセス
関越自動車道渋川伊香保ICより、国道17号線を北上。
5kmほど走ると、吾妻川を渡り、国道353号線との交差点にさしかかる。
この交差点を左折、国道353号線に入る。
12kmほど走ると、中之条市街に突入する。ここでこの国道は、国道145号線と合流する形になる。
道的には直進、国道的には左折になるかたちで、国道145号線に進路を変える。
吾妻川を左手に眺めながら、18kmほど直進する。
須川橋という交差点で、国道292号線が分岐するので、ここは国道292号線を選択する。
10kmほど走ると、今度は405号線とのY字路にさしかかる。
ここは左折、国道292号線を進む。
このあと、急な峠道になる。
3kmほど登りの峠を楽しんだ頃、品木ダムへの標識が現れる。
あとはこの標識通りに右折、2kmほどで品木ダムに到着する。
駐車場はないが、天端の両端にスペースがあるので、ここに車をとめて見学するとよいだろう。
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