北海道電力(株)が所有する発電専用ダム。
堤高46mの重力式コンクリートダムで、クレスト部にラジアルゲートを2門装備している。
そのゲートは濃い茶色に塗装されており、上部ダムの新冠ダムとお揃いの色づかいをしている。
このダムで取水された水は、堤体右岸に装備されている極太の水圧鉄管を通り、直下にある下新冠発電所へ送水される。
発電所では、最大58m3/sの水量を用いて2万kWの発電をおこなっている。
また、このダムは揚水発電をおこなっている新冠発電所の下池としての役割も果たしている。
上池は新冠ダムで、 最大234m3/sの水量を用いて20万kWの発電をおこなっている。
電気を多く利用する昼間は、新冠ダムから下新冠ダムへ水を落とし発電。
電気が余る夜間は、その余剰電力を利用して下新冠ダムから新冠ダムへと水を汲み上げ、再び来る昼間の電力需要に備えるという仕組みだ。
いわば、大きな蓄電池と言ってよいだろう。
堤体は立入禁止で近づくことはできない。
右岸の林道から堤体を眺めるだけである。
長いダート道を走って、やっとたどり着いたダムだというのに、欲求不満におちいるだけである。
しかし、その不満は、この先にある新冠ダムではらして頂ければよいだろう。
右岸下流より堤体を眺める。
ゲートのアップ。
北海道電力らしい色づかい。
堤体右側にある発電用の水圧鉄管。
かなり太い。
堤体直下にある下新冠発電所。
上流より堤体を眺める。
クレスト部にラジアルゲートが2門。
ゲートのアップ。
右側に下新冠発電所へと導く取水口が見える。
ゲートと取水口。
右岸の林道より堤体を眺める。
天端の様子。
残念ながら立入禁止。
左岸にある揚水発電用の取水口。
ダム湖の最上流部ではなく、ダム湖の中ほどにある。
揚水発電用としては変わった位置ではないだろうか。
ダム湖の様子。
この上流に新冠ダムがある。
スペック
ダム名 | 下新冠(しもにいかっぷ)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 新冠川/新冠川水系 |
所在地 | 北海道新冠郡新冠町 |
位置 | 北緯42度33分59秒 東経142度32分09秒 |
着工年/完成年 | 1967年/1969年 |
用途 | 発電 |
堤高 | 46.0m |
堤頂長 | 131.0m |
堤体積 | 62,000立方m |
流域面積 | 329平方km |
湛水面積 | 49ha |
総貯水容量 | 6,550,000立方m |
有効貯水容量 | 4,276,000立方m |
ダム湖名 | |
管理 | 北海道電力(株) |
本体施工者 | 前田建設工業 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
洪水吐 | ラジアルゲート | 2門 |
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