北海道開発局所有の多目的ダム。
治水の他、北海道電力による発電をおこなっている。
堤体は堤高84.3mのロックフィルダムだが、堤頂長が長いためか、それほど高さがあるようには見えない。
堤体直下は公園やキャンプ場になっており、人々の憩いの地であるようだが、取材日は残念ながら大雨洪水警報発令中だったため人っ子一人見当たらなかった。
放流設備の配置が多少変わっており、右岸に非常用洪水吐、左岸に常用洪水吐が設置されている。
それぞれ導流部が異なっているので、堤体の下流部は、2本の水路に囲まれた形になっている。
また、右岸には北海道電力の取水口および発電所もあり、この導流部を含めると、堤体下流には3本もの水路がある変わった構造となっている。
この贅沢な造りは、広大な大地北海道であるからこそできる技なのだろうか。

堤高84.3mのロックフィルダム。
それほど高さがあるように見えない。

天端を眺める。天端は道道718号線。

天端よりダム湖を眺める。
取材日は大雨洪水警報発令中だった。

右岸より堤体を眺める。
手前に自由越流式の非常用洪水吐が見える。

非常用洪水吐よりダム湖を眺める。
正面に北海道電力の取水塔が見える。

非常用洪水吐の下流部を眺める。
手前の赤いものはラジアルゲート。
その先の減勢工がギザギザしていておしゃれ。

下流直下より非常用洪水吐の導流部を眺める。
ゲートがオープンになっていた。

左岸に設置されている常用洪水吐の取水塔。

常用洪水吐からの導流部。
こちらは左岸に設置されている。

天端中央より下流を眺める。
左の水路は常用洪水吐からのもの。
右の水路は非常用洪水吐からのもの。
中央は公園になっている。

右岸下流部に設置されている北海道電力十勝発電所。
何故か水路に蓋がされている。

その水路と常用・非常用からの水路の合流部。

常用からの水路と、非常用からの水路の合流部。
スペック
ダム名 | 十勝(とかち)ダム |
ダム型式 | ロックフィル |
河川名/水系名 | 十勝川/十勝川水系 |
所在地 | 北海道上川郡新得町字屈足トムラウシ |
位置 | 北緯43度14分25秒 東経142度56分20秒 |
着工年/完成年 | 1970年/1984年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/発電 |
堤高 | 84.3m |
堤頂長 | 443.0m |
堤体積 | 3,715,000立方m |
流域面積 | 592平方km |
湛水面積 | 420ha |
総貯水容量 | 112,000,000立方m |
有効貯水容量 | 88,000,000立方m |
ダム湖名 | 東大雪湖(ひがしたいせつこ) |
管理 | 北海道開発局 |
本体施工者 | 大成・鹿島・伊藤 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 340.00m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 337.00m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | EL 313.20m |
最低水位 | EL 308.90m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | ラジアルゲート | W13.09m×H15.0m×2門 | 1,800m3/s |
常用洪水吐 | 高圧スライドゲート | W2.4m×H3.6m×2門 | 350m3/s |
発電所使用水量 | 十勝発電所(北海道電力) | 94m3/s |
アクセス
岩松ダムからのアクセス方法を記載させてもらう。
岩松ダムより、道道718号線をトムラウシ方面へ5kmほど進むと、十勝ダム天端へ到着する。
管理所に駐車場があるので、こちらへ車を停めて見学するとよいだろう。
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