国土交通省管轄の多目的ダム。
以前は赤川ダムという名称だったが、朝日村の村長の要望で、昭和57年3月に現在の名称に変更された。
堤体下流側には、月もしくは太陽が昇るような、半円を描いたデザインが施され、これが非常に美しい。
これは、所在地である朝日村の「朝日」と、霊峰月山の「月」をイメージしたものだという。
放流設備は、非常用洪水吐として、真紅のラジアルゲートが2門、コンジット部に常用洪水吐として、 ラジアルゲートが2門装備されている。
非常用洪水吐の減勢工はジャンプ台式。
そのジャンプ台の下に、常用洪水吐からの放流口が装備されている機能的なデザイン。
その他、発電所に繋がる選択取水設備も備えている。
デザインがとても美しく、資料館などもあるため、初心者でも楽しめるダムであろう。
機会があったら、一度は訪れていただきたいダムの一つだ。

ダム湖側より堤体を眺める。
見学日は良く晴れた日だった。
青い空、白いコンクリート、赤いゲート。
各色々が主張し、とても美しかった。

下流より堤体を眺める。
堤体には、月もしくは日が昇るデザインが描かれている。

クレスト部にある、非常用洪水吐のアップ。
真紅のラジアルゲートが2門装備されていた。

常用洪水吐からの放流口。
その上は、非常用洪水吐からの流路。
ジャンプ台式になっている。
非常に合理的なデザインだ。

下流横より堤体を眺める。
本当に美しいデザインをしている。

ダム湖を眺める。
夏期制限中なので水位が低い。

天端より直下を眺める。
ジャンプ台式洪水吐なので、減勢工はそんなに気合いが入っていない。

天端より下流を眺める。
ここはもう、梵字川ダム湖かも知れない。

天端を眺める。
徒歩のみ通行可能。

上流より堤体を眺める。
奥から、選択取水設備、非常用洪水吐、常用洪水吐の副ゲート、常用洪水吐の副ゲート、非常用洪水吐、水位維持管理用放流設備の副ゲートという順に並んでいる。

上写真のアップ。
スペック
| ダム名 | 月山(がっさん)ダム | 
| ダム型式 | 重力式コンクリート | 
| 河川名/水系名 | 梵字川/赤川水系 | 
| 所在地 | 山形県鶴岡市上名川 | 
| 位置 | 北緯38度35分00秒 東経139度53分44秒 | 
| 着工年/完成年 | 1976年/2001年 | 
| 用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/上水道用水/発電 | 
| 堤高 | 123.0m | 
| 堤頂長 | 393.0m | 
| 堤体積 | 1,160,000立方m | 
| 流域面積 | 239.8平方km | 
| 湛水面積 | 180ha | 
| 総貯水容量 | 65,000,000立方m | 
| 有効貯水容量 | 58,000,000立方m | 
| ダム湖名 | あさひ月山湖(あさひがっさんこ) | 
| 管理 | 国土交通省 | 
| 本体施工者 | 西松・大林・鉄建 | 
水位
| 設計洪水位 | EL 268.2m | 
| 洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 266.0m | 
| 平常時最高水位(常時満水位) | EL 255.0m | 
| 洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | EL 238.5m(6月1日~9月30日) | 
| 最低水位 | EL 210.0m | 
放流設備
| 用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 | 
|---|---|---|---|
| 非常用洪水吐 | ラジアルゲート | B8.1m×H12.8m×2門 | |
| 常用洪水吐 | ラジアルゲート | B4.9m×H4.9m×2門 | |
| 水位維持管理用放流設備 | バルブ | Φ1,800mm×1条 | |
| 低水放流設備 | 共同取水設備 | Φ1,500mm×1条 | |
| 発電所使用水量 | 月山発電所(東北電力) | 13.0m3/s | 
アクセス
山形自動車道庄内あさひICから、県道44号線を国道112号線方面へ走る。
1.5kmほど走ると、国道112号線との交差点にさしかかるので、ここを左折。
国道112号線を月山方面へ走る。
左手に梵字川ダムを眺めながら、6.06km走ると、月山ダム管理所へ続く道が右手に現れる。
標識が出ているので、迷うことなく右折、月山ダム管理所へ向けて進路をとる。
あとは標識通り数百メートル走るだけ。
管理所の奥に駐車場があるので、そちらに車を停めて見学するとよいだろう。
ただし、この駐車場は17:00までの営業なので注意して欲しい。
また、すぐ手前に梵字川ダムがあるので、こちらの見学も合わせておすすめする。



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