東北電力(株)所有の、発電専用ダム。
堆砂率は94.5%で、総貯水容量1,000,000立方m以上のダムの中では、3番目に高い堆砂率となっている。
クレスト部は、堤頂を乗り越える形の自由越流式洪水吐となっており、放流時はもの凄い迫力であることを予想させる。
また、堤体左側にはローラーゲートを装備し、通常はここから放流をおこなっている模様。
すぐ上流には国土交通省の月山ダムがあり、梵字川ダムの下流にかかる橋から両ダムを眺めることができる。
月山ダムの近代的デザインと、梵字川ダムの古来のデザインを同時に見ることができ、とても面白い眺めとなっている。
この2基の位置関係を考えると、梵字川ダムは、月山ダムの減勢工の役割を果たしているのであろうか。
下流より堤体を眺める。
ノッペリとした堤体。
天端全てが自由越流式の洪水吐だ。
手前に、コンクリートブロックのような減勢工が見える。
よく見ると、右側にローラーゲートの支柱が見える。
このゲートから放流中らしい。
同じ場所より、ちょっと引いたアングルで。
左下には梵字川ダム、右上奥に月山ダムが見える。
下流を眺める。
草木が生い茂っていた。
減勢池とダム湖。そして堤体。
左岸にある発電用の取水設備。
スペック
ダム名 | 梵字川(ぼんじがわ)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 梵字川/赤川水系 |
所在地 | 山形県上山市上生居字目倉小屋 |
位置 | 北緯38度35分16秒 東経139度53分17秒 |
着工年/完成年 | 1932年/1933年 |
用途 | 発電 |
堤高 | 40.9m |
堤頂長 | 62.4m |
堤体積 | 18,000立方m |
流域面積 | 244.8平方km |
湛水面積 | 9ha |
総貯水容量 | 1,274,000立方m |
有効貯水容量 | 85,000立方m |
ダム湖名 | |
管理 | 東北電力(株) |
本体施工者 | 飛島建設 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | 自由越流式 | 1門 | |
常用洪水吐 | ローラーゲート | 1門 |
アクセス
山形自動車道庄内あさひICから、県道44号線を国道112号線方面へ走る。
1.5kmほど走ると、国道112号線との交差点にさしかかるので、ここを左折。
国道112号線を月山方面へ走る。
左手に梵字川ダムを眺めながら、6.06km走ると、月山ダム管理所へ続く道が右手に現れる。
標識が出ているので、迷うことなく右折、月山ダム管理所へ向けて進路をとる。
右折するとすぐに橋を渡る。
この橋の中央に車を停めて、上流側を眺めてみよう。(もちろんの事、周囲の交通に気を遣って下さいね)
月山ダムが遠くに見えるはずである。
しかしながら、今回の目的は月山ダムではない。梵字川ダムだ。
月山ダムに気をとらわれず、すぐ手前を眺めて欲しい。
古ぼけたダムが見えるはずである。
そう、これが梵字川ダムだ。
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