石川県が所有する多目的ダム。
洪水調節の他、発電をおこなっている。
堤高56.5mの重力式コンクリートダムで、1964年に完成した。
かれこれ50年ほどの歳月が過ぎているので、それなりに貫禄がある風貌をしている。
放流設備は、クレスト部にラジアルゲートが2門。
常用洪水吐としてコンジット部に2門装備しているが、訪問時はあいにく正面からダムを見ることができず、コンジットゲートを眺めることはできなかった。
減勢工はスキージャンプ式。
ここからの放流はさぞかし壮大なことであろう。
発電は、600mほど離れた場所にある新我谷発電所でおこなわれ、最大10m3/sの水量で5,600kWの電力を生み出している。
ちなみに、この発電所は石川県の所有だったが、現在は北陸電力の所有となっている。
このダムの近隣には、九谷ダムがあるので、こちらの見学も合わせておすすめする。

左岸ダム湖側より堤体を眺める。
天端は国道364号線。

右岸にある発電用の取水口。
600mほど下流にある新我谷発電所に送られる。

天端付近よりダム湖を眺める。
小さくて見づらいが、吊り橋がかかっている。
左には発電用の取水口が。

天端を眺める。
国道ということもあり、交通量は多い。

左岸横より堤体を眺める。
スキージャンプの台が見える。

スキージャンプ部のアップ。
下流河川の状態を考慮して、左部が多少右向きに傾いている。

ゲート機械室。
プレハブ小屋という表現が相応しい。

天端より直下を眺める。

天端より下流を眺める。
山肌で見えないが、右側に発電所がある。

堤体直下右岸部にある施設。
謎の施設らしい。
スペック
| ダム名 | 我谷(わがたに)ダム | 
| ダム型式 | 重力式コンクリート | 
| 河川名/水系名 | 大聖寺川/大聖寺川水系 | 
| 所在地 | 石川県加賀市山中温泉我谷町 | 
| 位置 | 北緯36度12分39秒 東経136度20分58秒 | 
| 着工年/完成年 | 1958年/1964年 | 
| 用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/発電 | 
| 堤高 | 56.5m | 
| 堤頂長 | 126.0m | 
| 堤体積 | 78,000立方m | 
| 流域面積 | 86.1平方km | 
| 湛水面積 | 60ha | 
| 総貯水容量 | 10,100,000立方m | 
| 有効貯水容量 | 8,750,000立方m | 
| ダム湖名 | 富士写湖(ふじしゃのうみ) | 
| 管理 | 石川県 | 
| 本体施工者 | 熊谷組 | 
水位
| 設計洪水位 | |
| 洪水時最高水位(サーチャージ水位) | |
| 平常時最高水位(常時満水位) | EL 148.00m | 
| 洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | EL 140.50m | 
| 最低水位 | EL 123.00m | 
放流設備
| 用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 | 
|---|---|---|---|
| 非常用洪水吐 | ラジアルゲート | W7.25m×H10.105m×2門 | |
| 常用洪水吐 | 2門 | 
アクセス
北陸自動車道加賀ICより、国道8号線を金沢方面へ走る。
4.29km走ると、国道364号線との交差点にさしかかるので、ここを右折。国道364号線に入る。
道はだんだんと山深くなるが、そのまま11.94km走ると、目に前に我谷ダムが見えてくる。
近隣に九谷ダムもあるので、こちらの見学も合わせておすすめする。



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