水資源機構が管理する、重力式コンクリートダムの多目的ダム。
日本では数少ない、堤体が直角に折れ曲がっている構造が特徴的。
堤頂長は、コンクリートダムの中では第一位を誇る。
天端直下のコンクリートの色が、堤体本体とは異なる白色で、これも特徴のひとつだろうか。
その配色や、直角に折れ曲がっている風貌から、国道462号線からこのダムを見ると、悪の要塞に見えてしまうのは私だけだろうか。
天端直下には、群馬県営の下久保発電所があり、堤体に近づくことはできないが、天端側には駐車場やお手洗いが完備されており、大変親しみやすく整備されている。
天気が良い休日には、家族連れやツーリング族の姿が多く見られる。
このダムを見て、その先のぶどう峠を攻めるコースがおすすめ。
国道462号線沿いにある、巨大な重力式コンクリート型式の多目的ダム。
右岸側が直角に折れ曲がっているのが特徴的。
下流正面より堤体を眺める。
非常用洪水吐より放流中。
中央上に見える穴は、常用洪水吐。
この穴の奥にはラジアルゲートがある。
また、その下の2つの穴は、利水放流設備。
この奥に、ハウエルバンガーバルブが鎮座している。
利水放流設備のハウエルバンガーバルブを間近より眺める。
とても巨大だった。
このバルブで、38m3/sの放流が可能。
バルブの隙間より、高圧がかかっているために、完全に閉じることができず、水が噴き出していた。
ダム湖側より放流設備を眺める。
左から、非常用洪水吐のラジアルゲート、常用洪水吐の予備ゲート×2、非常用洪水吐のラジアルゲート、そして、建物の様に見える施設は表面取水設備。
左岸より堤体を眺める。
ほぼ直角に折れ曲がっているのがお分かりだろうか。
また、右端にインクラインが見える。
天端を眺める。
天端上は、2車線で車両通行可能。
もちろん道路も直角に折れ曲がっている。
左に人が集まっている部分に、堤体内に入るエレベータの入口がある。
天端よりダム湖を眺める。
このダム湖は、神流湖という名前。
天端より直下を眺める。
減勢工も右へ、ほぼ直角に折れ曲がっている。
副ダムも結構大きい。
天端より下流を眺める。
もう少し下流に、「三波石」という、文化財に指定された岩々がある。
プラムライン。
錆びていて、相当年季が入ったものだった。
近いうちに交換するとのこと。
直角部分を眺める。
右側が主堤体。
上記の位置より、すこし左側を撮影。
直角に折れ曲がった後、さらにその奥でも微妙に曲がっていた。
複雑な堤体の造りだ。
減勢工の副ダムと、主堤体を入れて撮影。
スペック
ダム名 | 下久保(しもくぼ)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 神流川/利根川水系 |
所在地 | 群馬県藤岡市保美濃山 |
位置 | 北緯36度07分57秒 東経139度01分21秒 |
着工年/完成年 | 1959年/1968年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/上水道用水/工業用水/発電 |
堤高 | 129.0m |
堤頂長 | 605.0m |
堤体積 | 1,193,000立方m |
流域面積 | 322.9平方km |
湛水面積 | 327ha |
総貯水容量 | 130,000,000立方m |
有効貯水容量 | 120,000,000立方m |
ダム湖名 | 神流湖(かんなこ) |
管理 | 水資源機構 |
本体施工者 | 熊谷組・間組 |
水位
設計洪水位 | EL 298.1m |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 296.8m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 296.8m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | EL 283.8m(7月1日~9月30日) |
最低水位 | EL 223.7m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | クレストオーバーフロー型ラジアルゲート | W8.0m×H15.849m×2門 | 1,400m3/s |
常用洪水吐 | ラジアルゲート | W6.5m×H6.3m×2門 | 1,600m3/s |
利水放流設備 | ハウエルバンガーバルブ | Φ1.65m×2門 | 38m3/s |
表面取水設備 | 4段式半円形ローラーゲート | 12m3/s | |
発電所使用水量 | 下久保発電所(群馬県) | 12.00m3/s | |
発電所使用水量 | 下久保第二発電所(群馬県) | 0.323m3/s |
アクセス
関越自動車道花園インターより、国道140号線を長瀞方面に進むか、
途中の寄居町より、国道254号線経由で国道462号線に入るコースがある。
お勧めは、長瀞方面。長瀞町の中野上交差点を右折。そのまま進むと、国道462号線に合流する。
この道を十石峠方面に約10分。すると、目の前に巨大な堤体が現れる。
トンネルを抜けたところに、下久保ダムに続く道があるので、左折してその道を選ぶ。
数百m走ると、下久保ダムの駐車場に到着する。
ここに車を停めて見学すると良いだろう。
また、峠ファンの君には、この先のぶどう峠がおすすめ。
残念ながら、十石峠は路肩崩落のため、当分の間通行止めだ。(2001/9/25現在)
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