鬼怒川の小網ダムのすぐ下流から枝分かれしている、逆川にあるダム。
東京電力(株)の発電専用ダムで、その行く手は立派なゲートが立ちふさがる。
前回はこのゲートを見たとたん、ダム見学をあきらめたが、今回は片道3.7kmを歩き、堤体を眺めることができた。
堤体は発電専用ダムには珍しく、型式はアースダムで、一見するとかんがい用水専用ダムに見えるが、警備の物々しさから発電専用のダムであることを感じる。
このダムの水は、一山隣にある黒部ダムから取水され、二本の導水管を使ってここに導かれている。
なぜ二本あるのか謎だが、見た感じでは、そのうちの一本は使われてないように思えた。
逆川からの水ももちろん流入しているが、取材時は、黒部ダムからの流入量の方が多いように見えた。
また、このダムに貯められた水は、堤体右岸にある取水口より最大45.00m3/sの量が取水され、約3km先にある鬼怒川発電所に導かれている。
行きづらい場所にあるダムだが、天気の良い日に、ハイキング気分で見学したい、ひっそりとした雰囲気の良いダムだ。
立派なゲートで通行止め。
電力系のダムはいつもこれだ。
下流より堤体を眺める。
アースダムで発電専用とは珍しい。
天端を眺める。立入禁止だった。
上流側より堤体を眺める。
一部がコンクリートで補強されている。
発電用の取水口(右)と自由越流式の洪水吐(左)。
発電用水は最大45m3/sが取水され、鬼怒川発電所に導かれる。
ダム湖を眺める。
調整池ということで、水が激しく対流していた。
上流よりダム湖と堤体を眺める。
奥に見えるものが堤体。小さなダム湖だった。
左岸に設置されている、黒部ダムからの流入口。
激しく流れ込んでいた。
堤体と黒部ダムからの流入口パート2。
地図を眺めると、二本の水路で黒部ダムからこのダムに導水されている。
なぜ2本あるのか謎だ。
スペック
ダム名 | 逆川(さかせがわ)ダム |
ダム型式 | コンクリートコアアース |
河川名/水系名 | 逆川/利根川水系 |
所在地 | 栃木県日光市鬼怒川温泉滝 |
位置 | 北緯36度51分03秒 東経139度41分10秒 |
着工年/完成年 | 1911年/1912年 |
用途 | 発電 |
堤高 | 18.2m |
堤頂長 | 121.2m |
堤体積 | 72,000立方m |
流域面積 | 277平方km |
湛水面積 | 2ha |
総貯水容量 | 92,000立方m |
有効貯水容量 | 92,000立方m |
ダム湖名 | |
管理 | 東京電力(株) |
本体施工者 | 大丸組 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
洪水吐 | 自由越流式 | 1門 | |
発電所使用水量 | 鬼怒川発電所(東京電力) | 45.00m3/s |
アクセス
ここでは五十里ダムからのアクセスを記載させてもらう。
もちろん、五十里ダムも見学お勧めスポットである。
国道121号線を、五十里ダムを下流方面へ走る。
4kmほど走ると、「川俣温泉」に続く県道23号線が枝分かれする。
ここを右折。進路を川俣温泉方面へ向ける。
川を渡るとすぐ、左手に分岐する、結構太い道が現れる。
距離にして、先程の分岐から500mほどだろうか。
この分岐を左折。
林道っぽいが、道幅は太いので違和感を覚える。
そう、ダムへと続く道は山中でも太い道が多いのだ。
途中にあるトンネルも立派で、この先どこまでも行けそうな雰囲気がある。
しかし、1.5kmほど走ると突然目の前にゲートが現れる。
このゲートの先に逆川ダムがあるのだが、残念ながら通行止めである。
このゲートより、約3.7kmほど歩けばダムに到着する。
通常のスピードで約40分ほどかかるだろうか。
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