長野県所有の多目的ダム。
小ぶりなダムの割には、色々な放流設備を持っている。
非常用洪水吐、常用洪水吐共に、自由越流式だが、贅沢にも、選択取水設備も装備している。
また、この他にも、ジェットフローゲートやホロージェットバルブを隠し持っている素晴らしいダムである。
ダム湖は相当堆砂が進み、上流は白い河原状態になっている。
このダム湖のすぐ上流に、巨大な砂防ダムがあるが、場所柄、あまり効果がないのだろうか。
下流より堤体を眺める。
非常用洪水吐は自由越流式で9門。
常用洪水吐も同様に自由越流式で2門。
常用洪水吐のアップ。
吐口があんなにはっきりと見えるのは珍しいのではないだろうか。
天端を眺める。
徒歩でのみ通行可能。
天端から減勢工を眺める。
中央手前に、スポイラーが見える。
ジェットフローゲートの吐口だろうか。
天端より直下を眺める。
減勢工に猿専用の釣り橋が架かっている。
天端より直下を眺める。
減勢工に猿専用の釣り橋が架かっている。
天端よりダム湖を眺める。
堆砂が相当進んでいる模様。
奥に見える白いものは砂だ。
下流の様子。
あの山の奥に小渋ダムがある。
インクライン。
上流より堤体を眺める。
手前の建物は選択取水設備。
常用洪水吐がある部分が妙に出っ張っているが。
常用洪水吐の出っ張り部分。
手動スライド式の鉄板がはめ込まれていた。
ダム湖より堤体を眺める。
スペック
ダム名 | 片桐(かたぎり)ダム |
ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 松川/天竜川水系 |
所在地 | 長野県下伊那郡松川町上片桐 |
位置 | 北緯35度37分15秒 東経137度51分27秒 |
着工年/完成年 | 1976年/1989年 |
用途 | 洪水調節、農地防災/不特定用水、河川維持用水/上水道用水 |
堤高 | 59.2m |
堤頂長 | 250.0m |
堤体積 | 211,000立方m |
流域面積 | 15.1平方km |
湛水面積 | 10ha |
総貯水容量 | 1,840,000立方m |
有効貯水容量 | 1,310,000立方m |
ダム湖名 | 松川湖(まつかわこ) |
管理 | 長野県 |
本体施工者 | 熊谷組・不動建設・吉川建設 |
水位
設計洪水位 | EL 908.20m |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | EL 907.20m |
平常時最高水位(常時満水位) | EL 896.90m |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 | EL 884.00m |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
非常用洪水吐 | 自由越流式 | W11.55m×H1.0m×9門 | 218m3/s |
常用洪水吐 | 自由越流式 | W2.96m×H2.20m×2門 | 165m3/s |
常用洪水吐 | ジェットフローゲート | Φ0.6m×1条 | 4.00m3/s |
常用洪水吐 | ホロージェットバルブ | Φ0.5m×1条 | 1.15m3/s |
選択取水設備 | 多段式ローラーゲート | W1.50m×H12.90m |
アクセス
中央自動車道松川ICより、県道15号線を左折、駒ヶ根方面へ走る。
800mほど走ると、片桐ダムの案内板が見えてくるので、この通りに左折。
高速道路の下をくぐり、すぐに左折。ここにはなぜか看板がないので注意して欲しい。
そしてすぐに右折。ここも同様に看板がないので注意が必要だ。
太い道なりに走ってゆくと、T字路にさしかかる。
ここは左折。
1.1kmほど走ると、左手に片桐ダムが見えてくる。
天端の入口にちょっとした広場があるので、こちらに車を停めて見学するとよいだろう。
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