電源開発(株)と北海道開発局農水部が協同運用する多目的ダム。電源開発(株)は発電、北海道開発局はかんがい用水を担当している。
芝生が張られた堤高27.5mのロックフィルダムで、惚れ惚れするほど美しい姿。
放流設備は左岸側に集約されており、余水吐として巨大なローラーゲートが3門設置されている。
どことなく、福島県の只見ダムを思わす雰囲気である。
このダムの特徴は、何といっても、1994年度の建築・環境デザイン部門グッドデザイン賞を受賞していることだろう。
ダムサイト右岸側の公園に、「G」マークが誇らしげに展示されているので、ぜひ見てもらいたい。
ただ、残念なことに、このダムは立入禁止。
金網越しから美しい堤体を眺める他ない。
管理面から考えると仕方がない処置なのだろうが、せっかく「G」マークをもらっている貴重なダムなので、ぜひとも開放して欲しいと願う。
このダムの下流、6.3kmの場所に熊牛発電所があり、導水トンネルにてダムの水が運ばれる。
発電所にて、最大41m3/sの水量を用い、15,400kWを電気を生み出している。
また、かんがい用水としては、最大1.78m3/sの水量で、6,280haの農地を潤している。

右岸より堤体を眺める。
綺麗に芝生が張られたロックフィルダム。

天端は残念ながら立入禁止。
門にしがみつき写真を撮っていると、スピーカーで「何かご用ですか?」と質問された。
管理所にて私のことを監視していた模様。

門にしがみつきながら撮った、天端の写真。
奥に余水吐のローラーゲート支柱が見える。

ローラーゲートのアップ。
電源開発(株)のダムらしく、とても大きい。

右岸やや上流部より堤体を眺める。
上流側はロックむき出し。

ダム湖側より堤体を眺める。
白い建物は管理所だと思われる。

ダム湖の様子。
かなり上流部まで芝生が張られていた。

右岸のやや下流部にある「G」マーク。
グッドデザイン賞を受賞しているダムなのに、一番美しい部分に立ち入れないのは非常に残念。
スペック
ダム名 | 屈足(くったり)ダム |
ダム型式 | ロックフィル |
河川名/水系名 | 十勝川/十勝川水系 |
所在地 | 北海道上川郡新得町字屈足763-5 |
位置 | 北緯43度08分55秒 東経142度54分28秒 |
着工年/完成年 | 1978年/2000年 |
用途 | かんがい用水/発電 |
堤高 | 27.5m |
堤頂長 | 220.1m |
堤体積 | 216,000立方m |
流域面積 | 939.2平方km |
湛水面積 | 49ha |
総貯水容量 | 3,130,000立方m |
有効貯水容量 | 844,000立方m |
ダム湖名 | くったり湖(くったりこ) |
管理 | 電源開発(株)・北海道開発局 |
本体施工者 | 大成建設 |
水位
設計洪水位 | |
洪水時最高水位(サーチャージ水位) | – |
平常時最高水位(常時満水位) | |
洪水貯留準備水位(洪水期制限水位) | – |
最低水位 |
放流設備
用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
---|---|---|---|
余水吐 | ローラーゲート | 3門 |
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